クトゥルー神話とは、H・P・ラグクラフトやオーガスト・ダーレスらが創り上げた恐怖文学作品群。日本でもこれを参考にした小説やゲームがあり、TVシリーズ「夜にも奇妙な物語」でも「インスマウスを覆う影」がドラマ化されました。

 神話とはいえ、完全に体系だてたものがまとまっているわけではなく、古き神々と旧支配者の時空を越えた対立を主軸に、旧支配者を祭る禁断の祭儀や、黒魔術を操る教団、関わった人々の、恐るべき体験談、もしくは手記という形を取っているものが多い。小説の分類はSF恐怖小説になるらしい。
 太古の時代、地球を支配していた旧支配者が旧神との戦いに敗れ、宇宙の彼方の惑星に追放されたり、地球の海底あるいは地中奥深くに幽閉された。この旧支配者が再び地上に戻ろうと人間に干渉するという作品が主である。
 旧支配者はいわゆる邪神にあたり、火,水,土,風の精霊に分かれている。
 このうち一番有名なのが、水の精霊のクトゥルー(cthulhu、kthulhut)ですが、邪神たちの総帥は、アザトース(Azathoth)になります。

アザトース(Azathoth):盲目白痴の神にて、知られざるもの。旧神との戦いに敗れ、知能を奪われて幽閉されている。
クトゥルー(cthulhu、kthulhut):水の精、ルルイエと呼ばれる太平洋上の遺跡の中に半眠状態になっている。頭は蛸,鱗と羽を持つ竜のような体に、長いかぎ爪を持つ。

PUK2のメインシナリオでは、このクトゥルー神話を元にしている地名やNPC名が出てきます。

ルルイエ殺害クエスト


ヨグ
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*ルルイエ
 クトゥルー神話におけるルルイエは、クトゥルーの眠る場所であり、魔導書「ネクロノミコン」の以下のような引用がよく出てきます。
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 ルルイエの館にて、死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり
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 クトゥルー神話を題材にした小説では、大概の場合核心に迫った研究者は不可解な死を迎えて物語は終わります。その現場は、クトゥルー神話の神々に関連した土地あるいはそこにつながる地下洞窟のある家であり、なぜか犠牲者はそこに引き込まれていきます。
 このゲームのルルイエ爺さんも、はじめは街中の「ハスターの家」にすんでいたのを、森の奥地に引っ越しています。
 小説ではその数日前の様子や調査内容が残された日記や手記からわかるパターンが多いのですが、ゲーム内ではアイテムとして出てくるだけで読めないのが残念なところ。

*ツァール
 ゲーム内ではルルイエの友人で学者である。クトゥルー神話のツァールは、風の精でありハスターの従者。
 クエストで進行する組織の目的がクトゥルーの復活であるなら、対立する風の精であるツァールはそれを阻止する側に回る可能性がある。もしかしたら、今後のクエストで正体が明らかになるかもしれない。

*ホテップ,ナイアール
 ナイアールはただの街中のNPC,ホテップはクエストの進行役にして重要なキャラクターの一人。
 クトゥルー神話では「ナイアルラトホテップ(Nyarlathotep)」という重要な旧支配者が居る。別名は使者、這い寄る混沌。ナイアーラトテップとも言われる。地の精であり、旧支配者のうちで唯一旧神に幽閉されることを免れている。その関係で、小説ではよく出てくる神である。
 クエストでの立場から、ホテップ=ナイアルラトホテップと考えて良いだろう。ナイアールと同一かは不明。

*ヨグ
 ゲーム内では、殺害クエの最後にメッセージとともに現れる。
 クトゥルー神話ではヨグ=ソトース(Yog-Sothoth、Yok-Zothoth)という神が居る。これは地の精ツァトグア,水の精クトゥルーとともに他の星から飛来した外なる神といわれる。時空を超越する存在とされ、宇宙の外に通じる究極の門を守護すると言われている。



新スキルクエスト


魔導書の写し
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*魔導書の写し
 クトゥルー神話を題材にしたものは、作品内に架空あるいは実在する魔導書の引用を使用することで、現実感を高めている。もちろん作者は各国,いろいろな年代にわたるのですが、引用する魔導書はほとんどが有名なもの数点です。このうちもっとも有名なのは、アブドゥル・アルハザード著「ネクロノミコン」。小説内では、主人公がどこからか手に入れた「ネクロノミコン」の写しを元に何かの秘術を行うくだりが出てくるものも多いです。
 ゲーム内のクエストでは、魔導書の写しをめぐる組織との対立があらわれてきます。


転職便宜クエスト


祭壇周辺
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*海底墓所
 ルルイエの家から外に出ると、ホテップに海底墓所に連れて行かれてエルダーサインを集めることになります。
 海底の墓所といえば、クトゥルーの眠るルルイエと呼ばれる太平洋上の遺跡が思い浮かばれます。ルルイエはポナペ沖とも、アメリカのインスマスやボストンから近い海底にも入り口があるといわれ、そこにはクトゥルーに仕える「深きものども」が現れると言われます。
 クエスト内では「深きものども」は現れません。エルダーサインは和訳すると「古い印」となりますが、この「古い」は旧支配者を示すもののようです。

*ダゴンフォール,祭壇
 クエストでエルダーサインを集めてアンジックに逆さ十字をもらって祭壇から「???」に飛びますが、この祭壇のある場所は「ダゴンフォール」の上になります。ダゴンは水の精であり、クトゥルー教団の神の1人です。

*塞ぐモノ: 我らは多くにしてひとつ!我を倒したとて……
 1つにして全,全にしてひとつのものとはヨグ=ソトース(Yog-Sothoth、Yok-Zothoth)の別名です。



陸サメ改造図クエスト


昏神たち
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*地,水,火,風つの昏神
ハスター(Haster):クトゥルーの半兄弟であり風の精の首領。星間宇宙を歩く者、名状しがたい者。旧神により、ヒヤデス星団のアルテバランそばの暗黒星に幽閉されている。水の精とは対立関係。

クトゥグァ(Cthugha):火の精、フォーマルハウトに幽閉されている。地の精とは対立関係。特に、ナイアルラトホテップと対立。

クタアト:現在のところ、この名前の神は存在しない。ブライアン・ラムレイ創作の書物に、水の精を復活させるための魔導書「水神クタアト(Cthaat Aquadingen)」という物があるらしい。

グラーキ:詳細不明。いくつかの作品で「グラーキの黙示録」という書物について言及される程度である。


*アブホース
 宇宙の不浄なるものの父にして母。地の精ツァトゥガ,水の精クトゥルー,ヨグ=ソトース以外の旧支配者の父であり母であるといわれる。形状は脈打つ灰色の液体のような塊で、その体からは頻繁にさまざまな生物が生まれる。その生物は足だけのはねるものであったり、蛇のようなミミズのようなものであったり。日本神話にもこういう神の体から生まれる話があったような。
 ただ、ゲーム内のアブホースはこの神の化身あるいは変化であるとは考えられず、むしろ人間である。ただ、アブホースの子供たちの混血,子孫ではあるかもしれない。

 クエストを全体的に見て、中途半端に設定を使っているような気がしないでもない。最初からこういうシナリオの流れにしようとしたわけでなく、途中から継ぎ足していった感じかなあ。まだ完全にクエストが終わって居ない気もするので、今後に淡い期待をもちつつ。


参考文献:「暗黒神話体系シリーズ クトゥルー」青心社
 文庫1巻より「クトゥルー神話の神神」,2巻より「クトゥルー神話の魔道書」
 現在文庫本は10巻以上出ているみたいですが、短編集のようなものなので、ハスターの助けを借りてクトゥルーの復活を阻止する話が収められた2巻がお勧めだと思います。